人物
大谷吉継
西軍の武将(松尾山の正面)
生没: 1558–1600
味方の離反を正しく想定し、そのうえで備えの規模が足りなかった武将。
小早川の動揺を見抜き、寝返りの可能性を想定して松尾山に向けて兵を配置したうえで戦った。読みは正しかったが、備えの規模が違いすぎた。約15,000が斜面を下ってきたとき、それを受け止められる兵力は無い。病を得て輿に乗ったまま指揮し、この日に死んだ。正しく読めても資源が伴わなければ結果は同じである、という形をいちばん明確に残した人物。
流儀:正しく読み、そのうえで足りない
大谷吉継は松尾山の動揺を見抜いていた。小早川が寝返る可能性を想定し、松尾山に向けて兵を配置したうえで戦っている23。読みは正しかった。
だが備えの規模が違いすぎた。15,000〜16,000 人が斜面を下ってきたとき、それを受け止められる兵力は無い。正しく読めても、資源が伴わなければ結果は同じである。彼は病を得て輿に乗ったまま指揮し、この日に死んだ。
繰り返し現れる型
裏切りを想定して備える
味方を疑うのは不快だが、想定に入れないと備えは作れない。彼は入れていた。
読みと資源は別勘定
正しく読めることと、読んだとおりに備えられることは違う。備えの規模が足りなければ、読みは記録に残らない。
負ける側に残る理由
彼は三成の旧知であり、勝ち目の薄さを知りながら西軍に残った。すべての判断が勝率で説明できるわけではない。
強みと限界
味方の離反を想定に入れて配置できる。
想定できても、10倍の兵力差は配置では埋まらない。
関ヶ原との接点
この戦いには「正しく読んだのに通らなかった人」が二人いる。三成は命令する資格が無く、吉継は資格はあっても兵が足りなかった。構造の壊れ方は一つではない。
歌川芳幾による大谷吉継の浮世絵、19世紀、東京都立図書館蔵。合戦から250年以上あとの想像図である。Public Domain, via Wikimedia Commons
登場する事例