人物
エルヴィン・ロンメル
B軍集団司令官(大西洋の壁)
生没: 1891–1944
決着の時間窓を正しく見積もり、その配置を通せなかった司令官。
連合軍の航空優勢のもとでは内陸から予備を運ぶことができないと読み、上陸を止めるなら水際で最初の24時間しかないと主張して、装甲師団を海岸のすぐ後ろに置くよう求めた。この読みは後世おおむね正しかったとされるが、配置は通らなかった。そして6月6日、潮位と天候の表が上陸を否定していたため、彼はドイツに帰っていた。
流儀:最初の一日で決める、と考える
ロンメルは西方の他の将軍と違う読みを持っていた。連合軍の航空優勢のもとでは、内陸から予備を運ぶこと自体ができない。したがって上陸を止めるなら水際で、最初の24時間で止めるしかない——だから装甲師団を海岸のすぐ後ろに置け、と主張した4。
この読みは戦後の評価ではおおむね正しかったとされる。だが彼はその配置を通せなかった。ルントシュテットは内陸集中を主張し、装甲予備の一部は総統の手元に留め置かれた。三つの正しさが並び、どれも実行されない形になった。
そして6月6日、彼はノルマンディーにいない。潮位と天候の表がこの時期の上陸を否定していたので、妻の誕生日のためにドイツへ帰っていた。相手の情報環境が偽られていた戦場で、天気予報までが敵側に立っていた。
繰り返し現れる型
決着の時間窓を先に決める
「最初の24時間ですべて決まる」という時間の読み方は、資源配置をまったく別のものにする。
制空権を前提条件として扱う
空を取られている側は、動くこと自体が高くつく。移動能力を戦力の一部として数えている。
正しい主張が通らない
彼の配置案は採用されなかった。読みの質と、それを実行に移す権限は別物である。
強みと弱み
決着の時間窓を正しく見積もれる。
その窓に合わせて資源を動かす権限が無ければ、正しい見積りは記録にすら残らない。
前線を実地に見て回る。
判断の材料が「自分が見たもの」に寄る。見ていないところ——英国側の情報——には、まったく手が届かない。
ノルマンディーとの接点
この事例には「正しく読んで通らなかった人」が二人いる。ロンメルは配置を通せず、ルントシュテットは正しい方針に偽の入力を与えられた。関ヶ原の三成と大谷に近い形が、別の理由でもう一度出ている。
エルヴィン・ロンメル、1941年。Public Domain, via Wikimedia Commons
登場する事例